Interview with the management経営者インタビュー

最後の想いを届ける仕事 ~㈱Ai~

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神奈川

2021.06.10

社会貢献/自己実現

最後の想いを届ける仕事 ~㈱Ai~

神奈川県大和市にて、葬祭に関するプロデュースやコンサルティングの他、終活のサポートを行う「終活バル」も経営されている株式会社Aiの代表取締役・佐藤愛様にお話をお伺いしました。

もともと葬祭業界になじみのなかった佐藤社長が、葬儀の仕事に興味を持ったきっかけは「人間の最期のすばらしさ」を身をもって感じたこと。未経験から葬儀社を立ち上げるまでに至った、佐藤社長のお人柄や信念について迫ります。

葬儀業界の仕事を始められたきっかけについてお聞かせください

興味を持つきっかけを作ってくれたのは父でした。父が亡くなったとき、葬儀社の方にはよくしていただいたのですが、葬儀自体というよりも「父の最後の生きている姿」を見ていたのが大きいです。

父は膵臓がんの末期だったのですが、それでも生きようとする力がすごくて。そういった「人間の生きる力のすごさ」を初めて間近で見たのが、父が病気になってからでした。普通にできることができなくなっていく中で、父は亡くなる数日前に「点滴をつけながらでも散歩に行きたい」と言ったんです。ほんの少しの距離ですけど、すごい笑顔で出かけていく姿を見て、「人間の最期ってすごいんだな」と。

突然亡くなる方もいらっしゃいますが、それでもみんなすごい力を持って、想いを持って亡くなっていくんじゃないかと感じたんです。そこで「人間の最期のすばらしさ」に興味を持って、最後の見送りをやりたいなと思うようになりました。葬儀をやりたいとかエンディングの演出をしたいというよりも、亡くなった方に「生きてきてくれてありがとう」と伝えたいという想いが強くて。天職だったのかもしれませんね。葬儀社をやることによって、人の最期に立ち会えるじゃないですか。亡くなった方に「ありがとう」が言いたくて始めた。人の最期の力に感動したのが、始めたきっかけです。

葬儀の仕事を始めたいと思ってからは、葬儀社に入社されたんですか?

私の場合は派遣で、いろんな葬儀社を見ました。最初は返礼品を配るだけとか掃除をするとか、そういったところから修行も兼ねて3年くらい働いていたんです。そのまま葬儀社に就職しても良かったんですが、いろんな葬儀社を見ている中で疑問に思ったことがあって。お客様にとってはいい会社だったと思うのですが、葬儀のパートナーとして一緒にやっている業者様に対して、横柄な態度をとる人が葬儀社に多かったんです。

私は、一番はお客様だと思っている。でも業者様は、葬儀社に気を使ってしまっていて。葬儀社よりもお客様に気を使えばいいのにとすごく思っていました。だから自分が葬儀社を始めてからは、業者様に「お客様ファーストにしてください」といつも言っているんです。協力してくれる業者様も大事にしたいと思っています。そうしたかったから、葬儀社を始めたというのが一番大きい理由かもしれません。

葬儀社を始められてからは、どのようなことに取り組まれましたか?

「5年くらい依頼は来ないよ」と言われながら始めました。競合がたくさんいて、昔からやっている葬儀社さんも多いので。そこで、家賃が払えなくなると困るし、私は生きている時間の方に注目しているので、終活の場として「エンディング・バル」を作ったんです。死ぬことを笑って話せる場があってもいいんじゃないかと思って。好きなことを自由に話せる場として、あとは地域の方にも貢献ができるかなと思って、飲食の経験はないけど飲食店を始めました。

私は以前ブライダル業界にいたんですが、その中で占いを学ぶ機会があったので占い師もやっていて。バルを始めた場所は、その占いでご縁があったオーナーさんに借りたんです。なので、占いをやっていたときから関わりのあった地域の方がお店に来てくれて、今でも常連として来てくれています。

自社でエンディングノートも作っていて、コロナ前はバルでエンディングノートやお墓のことなど、終活に関するセミナーもやっていました。そのバルのお客様からは3名くらい、ご葬儀の受注につながりましたね。でもここで集客しようとは思っていなくて、葬儀が入るとバルはお休みしています。

これからやっていきたいことはありますか?

まずは今葬儀が、知り合いやそのツテでしか受注できていなくて。始めて4年なので、まだホームページへのお問い合わせもないんですよ。そこを強化するのが、一番やりたいことです。葬儀をたくさんやって、たくさんの人を見送りたいですね。

ゆくゆくは、喪服のプロデュースをやろうと思っています。どうしても着たいと思える喪服がないんですよ(笑)喪服はどうして同じ形しかないのか疑問で、マナーがきちんとしていればもっとデザインされたものがあってもいいのになと思っています。

葬儀業界に携わりたいと思ったときの想いは実現できていますか?

まだまだ足りないですが、「お客様に寄り添う」という信念は貫いています。何があってもお客様を一番に考えているので、たとえば棺を運べない家でも「家でやりたい」と言われればやっています。無理難題でもやれることはやってきているので、お客様の想いを叶えられていることは幸せだなと思います。

いろんなケースがあるので、もっと経験を積まないといけないですけど。いい仲間に恵まれて、何かあればすぐに助けてもらえるので、葬儀のときに大丈夫だと思えるチームはできてきました。

2019年は月1件ペースで葬儀をさせてもらっていましたが、コロナ禍で火葬のみの葬儀も増えているので減ってきていますね。インターネットで探せる値段の安い葬儀屋さんが強くなっているので、そこは苦戦をしているところです。

これまでも思い立ったらチャレンジされてきたんですか?

そうですね。お金がたまるまで、整うまでやらないとか言うのは、「言い訳にしてやらないだけじゃん」と思うタイプなので。とにかく自分の信念や軸を大事にしているので、自分のフィルターを通らないものはやらないと決めていて、逆にやりたいと思ったことはやっちゃう。やってから考える性格ですね(笑)

知ったかぶりはしないと決めているので、分からなければ若い子にも聞きます。教えてくださいと言えば、どんな人でも教えてくれる。だからやりたいという気持ちだけで飛び込んでも、信念さえあればできると思っています。

生きていく上で一番大切にしている信念を教えてください

役に立てているかどうかを一番大切にしています。30代はちょっと驕った人間だったなと反省する出会いがあったんです。とある人に出会って、コテンパンに言われて。その頃にやっと信念を持つようになりました。

何をやっても自分のフィルターを通らないものはやらないという信念を持っているので、おいしい話でも「それは誰の役に立つのかな」「世の中の何の役に立つのかな」と考えて、役に立たないものはやらないです。「それは何の役に立つの?」とまず聞いていますね。

社長の人生における夢はありますか?

家族や身近な方が少しでも笑って生きていけるように、それが一番ですね。家族とか友人とか仲間に、できることを最大限できたらいいなと思っています。

仕事の方でも、目の前のお客様のために何ができるかを考えていて。よく他社との差別化とかビジョンとか聞かれるんですが、「差別化はしてません」って言っちゃうんですよ。葬儀社同士で仲良くやっていけた方がいいし、お互いにいいところがあれば教え合えた方がいい。

企業理念はありますが、あとは自分のやりたいことをやりたいなというだけで、あまり大きなビジョンはないですね。葬儀社なので夜中に呼び出されたりもしますけど、全然苦じゃないんです。むしろすぐに行って、亡くなった方に「今まで生きてきてくれてありがとう」と言いたい。あまりそういう言葉をかける葬儀屋はいないみたいですけど。事前に相談してもらえている方が多くて、私の人柄を分かってくれているので、行くと「あいちゃんが来てくれて安心した」と言ってもらえることが多いですね。

みんな何らかの形で苦労しているし、一生懸命生きている。だからこそ最期に立ち会って、感謝の言葉を届け続けていきたいです。

<この記事を書いた人>
■インタビュー つむぎ株式会社 代表取締役 前田亮 <https://tsumugi-mirai.jp/>
■ライティング 花崎もえ
フリーライターとして想いが伝わるように言葉の表現にこだわりながら、旅行・グルメの紹介記事やインタビュー記事などを執筆している。ピアノ弾き語りシンガーソングライターとしても活動中。

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