Interview with the management経営者インタビュー

スタッフの家族まで笑顔にできる会社へ~(有)塚本葬儀社~

  • Facebook
  • Twitter

山口

2021.05.12

仲間

スタッフの家族まで笑顔にできる会社へ~(有)塚本葬儀社~

今回は山口県に拠点を持ち、心音(ここね)ブランドで式場を展開する有限会社塚本葬儀社、2代目社長の塚本様にお話をお伺いしました。

物心ついた時から会社を継ぐということが当たり前だった生活。承継後、外部のアドバイスももらいながら成長を続けてきた同社は、「社員の家族の幸せ」まで追求する葬儀社となりました。塚本葬儀社は何を大切にして葬儀という仕事を行っているのでしょうか。

ー創業の頃のお話をお伺いさせてください。

元々はお米屋さんをやっていたのですが、当時は運送業をやっていたり、いろんなことをやっていたそうです。精米所がメインだったのですが、このままだと商売が厳しくなっていくという中で、知人の勧めもあり葬儀を始めることとなったといいます。

私が生まれる前の話でもあるので、当時のことをお客さまから聞くこともあります。亡くなった方のご自宅に足を運んでは、自分達に仕事を頂けないかと頭を下げて回った。そんな両親の苦労をお客様が知っていて、そして私にそれを伝えてくれる。先代の話をそんな形で聞くと、身が引き締まりますよね。

ー亡くなる方のお宅に伺うというのは凄いですね。

簡単にできることではないですよね。でもそれしか手がなかったんです。やり方もわからなかった。ただ、実際はみんな困っていたんですよね。葬儀屋さんがこの地域にあったわけでもなかったので。そんな中で少しずつ仕事を頂くことが増えてきて、それが積み重なって徐々に仕事が増えてきました。地元でいろんな後援活動等をしていたこともプラスになったみたいです。

物心ついたころから葬儀があることが当たり前の生活ですから、小学生の頃には普通に手伝っていましたね。会社を継ぐということももはや自然の流れで、疑うことはなかったです。学生ながらに花環やテントを設置して回る日々。卒業後もすぐに帰ってこいとのことで、実家に戻りました。

ー戻ったときの苦労はありましたか?

仕事をし始めると父とぶつかることが増えてきました。学生の時はそんなことがなかったんですが、仕事が徐々にわかってくると、意見の食い違いも出てきます。私も外に出させてもらうこともあったので、いろんな情報を持ち帰ってくることもある。それでまたぶつかる。

私が入社したときは、家族4人、スタッフ3人くらいで仕事をしていました。その人数で月に42件やったこともあります。もうなんでもやりましたね。同業者にも応援に来てもらって手伝ってもらうなんてこともありました。

ー社長になられたタイミングは?

平成14年ですね。父がその前の年に病気になってしまい、社長をどうするとなったんです。そして、30歳のタイミングで社長になりました。

もう当時は忙しいばっかりでその記憶しかないですね。夜間の搬送、司会、担当、そのすべてを全部自分でやる。会合にもいかないといけませんし、とにかく忙しかった。ただ、借入もなかったので、社長っぽいことはなく、一社員の様な働き方をしていたかと思います。

ー誰か相談相手などはいたのでしょうか?

社長になってしばらく経ってから、社員も増えて、私にも時間ができるようになってきました。それで外に出てみて、いろんな情報を得るようになり、信頼できるコンサルタントに出会うことができました。当時は、自己流で出店もしてきたのですが、なかなか思うように仕事も増えない。となったときに、これまで通りのことをやっても難しいなと思ったんですね。それで誰かアドバイスしてくれるようなプロフェッショナルを探していたのです。その先生はもう引退をする時期だったようですが、無理を言ってお願いしました。

ーその後順風満帆に言ったのでしょうか?

それが全然なんですよね。父が倒れてしまったので、これまで父がいるから弊社を選んでくれていたお客さまも違うところに行ってしまうということもあったんですよね。そんなことがあり、心音(ここね)という会館を新しくするなどして、いろんなことをしていった結果、3年くらいでやっと軌道になり始めたかなと感じました。

その後、徐々にお客様が「心音さん」にお願いしたいと言われることが増えてきたんです。それまでは塚本さんの葬儀社さんという感じだったんですけど、それが心音さんと呼び名が変わってきました。昔は、社員も塚本さんと言われていたくらいだったんですけど、今はほぼ心音さんと呼ばれます。お客様に認めてもらえ始めたんだと感じた瞬間でしたね。

ー人が増えてきた中で苦労したことはありますか?

売上の伸び以上に人が増えていた時期もあり、そこは少し苦労しました。役員報酬を減らしたりしましたね。増やしすぎたということももちろんあったのですが、組織を変えていこうと思えば、新しい役割の仕事が出来たりします。組織を変えていかなければならない中で、新しい人材が必要になったので、必要な投資だったと思います。

ー大切にしている理念はありますか?

「エンディング産業を通じて、和の心と儀礼文化を守り、大切さを伝えることで地域と業界の発展に貢献します」という言葉ですね。しっかりと文章化できたのは5年前くらいのことです。元々企業理念に似たようなものはあったのですが、借りてきたような言葉だったんです。しかし、やっぱりそれじゃいけないよねということで、自分達で作り直しました。

普段から大きな変化は感じないものの、面接の際、会社説明会の際にそれらをしっかりと読むたびに、働いてくれる人との理念の共感を意識するようになりました。これらの言葉がスタッフとの約束になるので、声にするたびに重みを感じますね。

ー目標についてはどのように共有していますか?

経営方針発表会をやっています。中期の目標や10年後の会社の在り方、そこから逆算した1年の目標といったことを伝えています。さらに会社の目標だけではなく、個人の目標も設定しています。

やはり個人の想いと会社の未来をしっかりと繋げることは大事かなと思っています。ですから個人の成長にはしっかりとサポートすることも会社の責任です。そんな思いもあり、毎月全員と話をする時間も設けています。

そうやって従業員への意識が高まったのも、結婚が大きなきっかけかと思います。そして子供ができると、さらに大きく変わったと感じますね。自分の家族はもちろんですが、社員の家族のことまでも考えるようになりました。そこまで考えると社員に対する接し方はより本気になりますよね。

ー将来の目標は?

最終的な目標は、スタッフの家族まで笑顔で集まることが出来る会社です。忘年会の席に社員だけじゃなく、家族みんなが参加している。みんなが和気あいあいと集まりながら、仕事となったらすぐに切り替えられる。やはり家族のサポートありきの仕事ですし、家族のサポートがあるといい仕事ができますよね。

ー現状はどのくらい実現できていますか?

あえて点数をつけるならば40点くらいじゃないでしょうか。まだまだ家族を連れてくる雰囲気までにはなっていませんし、気軽に家族に立ち寄ってもらえるようにもなっていません。社員の家族の方から、「この会社に入ってよかったです」と言ってもらえるようになると、本当に素敵だと感じますね。

まだまだスタッフの悩みも全て解決できているとも思っていません。もっともっと距離を近づけて、いろんな話をして、その人の生活の質を高めるようなサポートを会社としてできるようになっていきたいですね。

お問い合わせはこちら(求職者様)

CONTACT お問い合わせ

Mission Company Story~エンディングビジネス~は、
葬祭業界(エンディング業界)特化型の経営者インタビュー・転職ブラットフォーム。
エンディング企業の経営者の「想い」と、その「想い」に共感する人と出会えます。
また、葬祭業界(エンディング業界)のさらなる発展のための情報を発信しています。