Article特集記事
2023.09.30
みなさんこんにちは!つむぎ株式会社の西本です。弊社は、スタッフ一人ひとりの働く想いを冊子にする“パーソナルブランドブック”を始め、人事の分野で葬儀業界のみなさまと深いお付き合いをしております。
業種を問わず働き方改革が進んでいる現在、葬儀業界でも働き方の環境整備を進めている会社が増えているのをご存じでしょうか。さまざまな書類手続きが重なる葬儀の現場において、事務作業の効率化は大きな負担軽減となります。
兵庫県の株式会社花浄院も、そんな取り組みを進める葬儀社の一つです。
今回は、株式会社花浄院の西本新司様に、花浄院が進めている働き方の環境整備の詳細や、スタッフへの想いなどを伺いました。
■ 株式会社花浄院 1970年に創業。2023年9月現在、兵庫県内で8店舗を構える。「この街に『ありがとう』を増やし続ける。」をモットーとし、一人ひとりにあわせたお葬式を実現。お客様の家族の一員として、同じ目線に立った接客が魅力。 公式HP:https://www.kasyouin.com/ |
入社のきっかけは“時代に逆行したチラシ”
■ 西本新司様 ウェディング業界、大手家電メーカーを経て2012年入社。兵庫県内3店舗のエリアマネージャーとして、スタッフの管理業務などに従事。ITツールの導入からカスタマイズまでを担当した。新規事業の展開を見据え、現在は新規出店の分野にも関わっている。 |
まず簡単に私の経歴だけ紹介させてください。私は高校卒業後、ウェディング業界と大手家電メーカー業界を経験したのち、2012年に花浄院に入社しました。大手家電メーカー業界の会社から花浄院に転職するきっかけとなったのは、ポストに入っていた1枚のチラシ。
現在の宝殿店とは少しだけ異なる場所に、「宝殿店がオープンする」という内容でした。もう10年前のことですが、そのチラシを初めて見たときの印象は今でも記憶に残っています。色鉛筆で、スタッフの似顔絵とお花のイラストが描かれたチラシでした。
最初に抱いた印象は「どんなお店やねんここ!」です。ただ当時、デスクワークから接客の仕事に戻りたいと考えていた私にとって、このチラシに出会ったのも一つの運命なのかなと。葬儀業界に特別な関心はなく、求人も出されていませんでしたが、家から近くおもしろそうな会社だと感じたので、自分から電話をして入社に至りました。
弊社は“一人一家族担当制”を取り入れていて、最初のお話から打ち合わせ、お葬儀が終わった後のフォローまで、一人ですべてを担当します。分業制ではなく自分がすべてを担当したい。そんな想いで、2012年から花浄院の一員になりました。
改善が必須だったアナログ環境
時代に逆行したチラシがきっかけで入社して、現在はエリアマネージャーを担当しています。今でこそさまざまな面で働き方の改善が進みましたが、およそ3〜4年前まではアナログ環境が色濃く残っていました。
特にお客様の情報を探す際は、非常に効率が悪かったと思います。電話をいただいてから、無数の書類からお客様の情報を探す必要がありました。この作業だけでも時間がかかります。
また、アナログ環境が続いた結果、顧客データを活用できない問題も発生しました。お客様の氏名や生年月日、家族構成といった情報は、接客の場面で非常に重要な情報です。ただ、そういった情報が電子化されていなかったので、お客様の担当者はすぐに情報を見つけ出せても、担当していないスタッフはどこに情報があるのかわからなかったんです。
例えばお客様からの電話がかかってきても、担当ではないスタッフが電話に出ると、また0から名前やご相談内容などを伺う必要がありました。
お客様からすれば「この前話したことなのに」と感じるのが普通ですし、弊社に対して不安な気持ちを抱くことにもつながりかねません。なんとかこの状況を変えられないかと考えていました。
考え方が覆った服部さんとの出会い
ITツールの導入など、働き方の環境整備についていろいろと考えていた中、自分の考え方を変えてくれた人と出会いました。広島県にある川本葬祭社の服部さんです。
▶︎ 有限会社川本葬祭 経営者インタビュー
ヒントは“禅” ITを駆使し、心あたたまるお葬式を目指す〜(有)川本葬祭〜 – Mission Company Story
弊社では、他の葬儀社、あるいは異なる業種の企業に最大で2週間、研修に参加できる制度があります。2022年の3月頃、弊社代表の池本 丈太郎から紹介されて服部さんと出会いました。
服部さんはシステムエンジニアのご経験があります。その経験を活かして、服部さんは既存のシステムを買うのではなく、自分でシステムを作り社内の環境整備を行なっているんです。僕は「システムは買うもの」という考えしかなかったので、その考えを根底から覆された気がしました。
服部さんが自分でシステムを作れたのは、もちろん技術もそうですが、ご自身の中で「何をしたいのか」が明確になっていたからだと思います。本当に先を見据えて行動されていて、さらにシステムを自分で作ってしまう。その行動力に圧倒されましたし、自分の考え方が変わる大きな出会いだったことは間違いありません。自分たちがシステムに合わせるのではなく、システムを活用していくこと。この点は勉強になりました。
研修から戻った後、花浄院では葬儀業界に特化したシステムが導入されたもののうまくいかず。私が会社側に伝えて、よりカスタマイズ性が高い業務改善プラットフォーム「kintone」と、バーチャルオフィスの導入が決まりました。
kintoneを導入し、今はお客様の情報共有がスムーズになりました。情報を一元管理したことで、誰がお客様の電話を取っても、全員がお客様の情報をすぐに参照して対応ができます。
また、他の店舗はどんなことをしているのか、会社内の状況も見える化しました。「河原店はこの作業で忙しいから、今日はここに人を配置しよう」という指示出しがスムーズにできるようになったんです。ビジネスチャットツール「Chatwork」などとも連携させて、アナログ環境から脱却できました。
バーチャルオフィスは、各店舗の事務所と本社をオンライン上でつなぎ、離れていても状況が把握できるようにしています。スタッフみんながつながっている感覚を得られるだけでなく、店舗から本社に電話する際も便利なんです。バーチャルオフィスによって本社の様子が確認できれば、電話で話したい相手がいるのかどうか一目瞭然です。「相手が電話中だから今はやめとこう」という判断ができますし、店舗で働くスタッフもうまく活用してくれています。
適性はそれぞれ異なるからこそ、社員全員が輝ける環境を整えたい
弊社が目指しているのは、兵庫県でナンバーワンの葬儀社になることです。また、ミッションとして「安定的な雇用の創出により“社員の幸せ”を守る」を掲げています。安定した雇用を生み出して社員の幸せを守れるように、現在は新規出店の計画、働きやすい環境を実現するためのシステム設計などに取り組んでいます。
人間には向き不向きがありますし、働き方はいろいろあっていいと考えています。最初はお葬式のプランナーとして入社した社員が、その分野で働くことに違和感を抱くケースだってあるでしょう。
そういったときに「慣れるまで頑張れ」と突き放すのではなく、「この人はこっちの分野が向いているかもしれない」と考えて、ポジションチェンジをするケースもあります。花浄院の一員として働いてもらっている以上、やっぱりみんなが輝ける環境で働いてほしい。ですので、社員が働けるフィールドを増やせるような環境整備を意識していますね。
変わった言い方かもしれませんが、接客は時間の計算ができない仕事で、ある意味で非効率な側面も含んでいます。ただ、葬儀業界はなによりも働く「人」がすべてです。
時間の計算ができない以上、接客以外の業務でスタッフには負担を感じてほしくありません。少しでもスタッフが接客に集中して、お客様とじっくり向き合えるように。また、みんなが楽しく仕事に取り組んで、仕事を楽しめるように。これからさらに働きやすい環境を整えていきたいですね。
働き方を整えて、新たな未来へ挑戦する花浄院
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
アナログ環境を変えていくためにkintoneを導入したり、バーチャルオフィスで店舗と本社をつないだりなど、積極的な取り組みを進めている花浄院。社員一人ひとりが強みを発揮できる環境で働けるよう、ポジションチェンジを行っていることも印象的でした。今後は新規事業の推進も含め、挑戦を続けていく花浄院から目が離せません!
なお、今回お話を伺った花浄院については、経営者の池本丈太郎様にもインタビューを実施しております。ぜひご覧ください!
▶︎株式会社花浄院 経営者インタビュー
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