Interview with the management経営者インタビュー

いつか必ず訪れる日をいい日にしたい~(株)セレモニーホール飯田~

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長野

2022.01.16

社会貢献/自己実現

いつか必ず訪れる日をいい日にしたい~(株)セレモニーホール飯田~

今回は長野県飯田市を拠点に、葬儀式場と終活サロンを展開されている、株式会社セレモニーホール飯田の代表取締役社長・伊藤佳代子様にお話をお伺いしました。

亡くなった方のためだけでなく、ご家族が前に進んでいくために「後悔のないお葬式」を届けたいという伊藤社長。その想いの背景には、ご自身の経験や復元納棺師としての想いがありました。葬儀業界の仕事を「天職だ」とおっしゃる伊藤社長が、社長として大事にしている想いや今後のビジョンとは…?

会社の創業の頃のお話をお聞かせください。

弊社は、創業してから今年で95年になります。創業者は桶を作って届けるところから始めていたそうです。その後、葬儀社を立ち上げました。

創業後、2代目社長の頃は「有限会社やわた典礼社」という名前で、地元に根付いた経営をされていました。それから今の相談役である2代目社長の代に株式会社化し、平成6年に「株式会社セレモニーホール飯田」となりました。ホールを立てたのも2代目社長の代です。飯田市内では一番初めに葬祭ホールを建設しました。

私は4代目の社長で、令和になってから代表を交代しました。

もともと私は私の父が経営する会社で経営面のサポートをしており、葬儀業界での仕事は初めてでした。それが16年前のことです。

葬儀業界に対して明るいイメージは持っていなかったのですが、21年前に父が亡くなりまして。急なことだったので気持ちの整理がつかず、実は今も少し引きずってしまっています。それから「他の人にはこんな想いをさせたくない」と強く思うようになりました。この気持ちが、今の葬儀業界での仕事に生かされていますね。

今ではこの仕事を天職だと思っています。

この仕事を「天職」だと思ったきっかけについて教えてください。

会長のお母様であり、当時、常務取締役だった方が亡くなられた際、いつも綺麗にしている方だったので、お化粧をしてあげようということになりました。私はそのとき初めて、亡くなった方のお化粧をさせていただいたんです。

すると会長に「すごい技術だ」と言ってもらえました。会長は仕事中、私に対してとても厳しい方だったので、初めて褒められた気がします。その言葉を受けて私は「死化粧をもっと極めよう」と思うようになりました。

それからは、有名な復元納棺師のもとで学んだり、修行に行ったりしました。復元納棺について学ぶ一方、グリーフケアについても勉強しましたね。

そして、学んだことや今までの自分の経験を踏まえて、葬儀は「残されたご家族のためにやろう」と思うようになったんです。亡くなった方のためだけではなく、ご家族のことを意識するよう方向性を変えました。それだけ葬儀について深く学び、考えていく中で、この仕事は私にとってかけがえのないものになっていきましたね。

今は社長として、どういったお仕事をされていますか?

ご葬儀の担当を持つということはありませんが、告別式の際はホールに出てお客様をお迎えしたり、ご宗家の方には直接当社のご利用のお礼を伝えたりすることを大切にしています。また、事前相談は私と専務で対応させていただいています。専務は男性、私は女性。やはりお客様としては安心できる相手が違う場合もあります。お客様にとって一番安心していただけるのは誰だろう、という目線を大切して事前相談を行っています。

また、数年前に終活カウンセラーの資格を取得し、「終活サロン 蓮華」を立ち上げました。終活というと「お葬式の準備」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、それだけではないんです。

地域の方がされているカルチャー教室のように、近所の方が集まってお話ししたりお茶を飲んだりするような場所としても提供しています。「お葬式の相談の場所」だけでなく、もっと気軽に来ていただけるような場所を心がけていますね。

社長になってから何か変化したことはありましたか?

社員を抱えることへの責任を、今まで以上に感じるようになりました。今まで専務としても経営に携わってきましたが、その責任の重さは全然違いますね。でも社員が助けてくれますし、守ってくれるので、ストレスばかりではないです。本当に感謝しています。

社長になってから、スタッフには「人に頼られる人になってほしい」とよく伝えるようになりました。葬儀を施行した後、残されたご家族は次の日からまた前に進んでいかなければなりません。だからこそスタッフには、葬儀中だけでなくその後も、お客様の支えになれる人間であってほしいと思っています。

葬儀業界は競争が激しい業界です。弊社が拠点としている地域も、人口の割にホールが多いという状況になっています。そのような中で弊社を選んでいただくためには、会社の看板だけでなく、スタッフが人として頼ってもらえることが大事だと思うのです。他社との違いを、スタッフの人柄で感じていただけるようになっていきたいですね。

最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

私は「いつか必ず訪れる日をいい日にしたい」という想いを大切にしています。今は社長として社員にもこの想いを伝えており、達成するためには何をすればよいのか、社員と共に模索しているところです。

社長になってから個々の社員と話す機会は減っていますが、会社として大事にしたい想いは、専務や幹部からきちんと伝えてもらうように心がけています。年に数回は、私の方からも社員全員にしっかりと伝えるようにしていますね。

これから、葬儀の規模が小さくなっていくことは否めないと思います。最近は直葬をされる方が増えていますが、ご家族の皆様が前に進んでいくために、本当にそれでいいのかをきちんとお話しできる葬儀社でいたいです。

これからも「本当に後悔がないお葬式」を、プロとして必ず提供していきたい。それが私たちの使命だと思っています。

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