Interview with the management経営者インタビュー
広島
2022.06.08
社会貢献/自己実現
広島県呉市に拠点を置く川本葬祭。独特なルーツのもと現在の形へ至り、心あたたまるお葬式を提供するという想いのもと、活動しています。
代表を務めるのは、お父様から後を継いだ服部様。もともとIT分野で働いていたこともあり、代表となられてからは、葬儀の現場へ積極的にIT技術を取り入れられています。
なぜ、葬儀にITを導入したのか?そこには服部様のルーツに基づいたある哲学が存在しました。
まずは服部様が川本葬祭の代表になられるまでの経緯を教えていただいてもいいですか?
川本葬祭はもともと、父がお手伝いをしていた葬儀社でした。父はもともと高知の出身で、車の整備工をしていました。ところが怪我をして、退職。新たな仕事を求めて、広島県呉市へやってきました。呉は日本でも有数の造船都市として栄えていたため、街として賑わっており、高知の地元よりも仕事があったんです。
そうして呉の葬儀社に入社。私が中学生になるころには、その葬儀社から父が独立し、焼山葬祭という葬儀社を立ち上げました。
しかし、創業したばかりの葬儀社にそう簡単に依頼が来るはずもなく……。しばらくの間は、葬儀以外にも配達の仕事などをして必死に生活をしていました。その活動の一環で、父が近隣で人手を求めている葬儀社へお手伝いに行くことになりました。その葬儀社が川本葬祭でした。
川本葬祭はもともと、別の方がやられていた葬儀社だったのですね。
―――川本葬祭はもともと、別の方がやられていた葬儀社だったのですね。
父の立ち上げた焼山葬祭が川本葬祭と一つになったのは、私が入社してからのことです。学生の頃から両親は私に、やりたいことをやらせてくれていました。その想いのもと、私は会社を継ぐことなど考えず、ITの道へと進んでいきました。社会人となってからは、IT系の会社で働いていたのですが、母の病気が悪化したことをきっかけに、父から「帰ってこないか?」と話を受け、家に戻ることに。
そうして私が家に戻り、数年後、焼山葬祭は川本葬祭と一つの会社となったのです。以前から経理は川本葬祭と焼山葬祭の2社分行っていたため、作業の複雑さが課題となっており、それを解決したいという狙いがありました。また焼山葬祭は地域の名前をいただいていたため他地域へ出店しにくい、という心理的な問題も、解決したかったんですよね。
未経験で葬祭業界に入られたわけですが、振り返ってみていかがですか?
葬儀の仕事については、中学生のころからアルバイトをしていたため、ある程度の知識を持っていました。しかし実家に帰ってきてから実際に働いてみると、想像以上に大変で、正直現場での仕事が向いていないことを実感しました。
この業界がおもしろいと思えてきたのは、ディレクション業務をやり始めてからです。打ち合わせから司会まで、式に関する全ての工程に携われるようになると、これまでと違った魅力を感じるようになりましたね。
そうしていくうちに、母の病気が悪化してしまい、母が担っていた経営に関する業務をカバーする意味合いも含め、私が代表に就任することとなったんです。代表となったばかりの頃は現場と経営、両面の業務を担当していたのですが、段々と現場をスタッフに任せ、私は経営方面へ注力し、さまざまな改革を行っていきました。
例えば働く上での想い。HPには創業理念を掲載していますが、実は社内用に、千利休の引き算の美学をヒントにした、私の想いをまとめたシートも存在しているんです。千利休の考えに出会ったのは、IT業界にいた頃でした。僕は、見えないところにまでこだわるApple社が好きなのですが、あるとき創設者であるスティーブ・ジョブズが禅を参考にしていると耳にしました。そうして千利休の書籍を購入。読み進めていくうちに、千利休、さらには彼の考えのルーツでもある禅に感銘を受け、会社運営に取り入れてみることにしたんです。
会社運営において私は、私の経験値や価値観が社員たちに伝わり共感を得ることで、川本葬祭にしかできないサービスが生まれてくると考えています。もちろん、そのサービスには私の考えだけではなく、社員一人一人の個性も含まれています。私は、そういった川本葬祭の今の社員たちならではのサービスを、私たちと近い温度感を持ったお客さまに伝えていきたいんです。サービスの芯となってくる想いや価値観、日常で出会う参考にしたい考え方は、日々方法を変えながら、少しずつ、自然な流れのなかで社員たちへ伝えています。
川本葬祭のこれからについて伺ってもよろしいですか?
お葬式を軸に、時代のニーズに合ったサービスを展開していきたいと考えており、社員にもそのことを伝えています。目標の実現に必要なのは、社員一人一人が自主的にお客様のために行動していくことです。諸業務を効率化しお客様の対応に注力するために、葬儀社にはあまり見られないデジタルツールも導入もしています。こういった体系が整った後には、新しい人材を迎え入れ、チームを組み、いつかは別の地域に展開していってもいいのかなと考えています。
お客様それぞれのニーズに合わせフォローをしていくことで、心あたたまるお葬式を実現していきたいですね。
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