Interview with the management経営者インタビュー

葬儀を通じて地域の課題を解決できる会社へ~多摩中央葬祭(株)~

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東京

2021.06.18

社会貢献/自己実現

葬儀を通じて地域の課題を解決できる会社へ~多摩中央葬祭(株)~

今回は多摩地区を中心に営業を行い、葬祭業を通じて地域の課題解決を目指す多摩中央葬祭株式会社の森山様にお話をお伺いしました。

先代からの突然のバトンタッチ。全くの異業種にいたからこそ取り組くことができた数々の施策、また従業員が働きやすい環境を作ることを大切にした制度や会社創りなど、森山様が考える会社のビジョンに触れていきます。

ー森山様が入社されるまでのお話をお伺いできますか?

弊社は今年で創業42年目になります。私自身は2014年に入社したのですが、先代である父が倒れてしまったために、私が葬儀業を継ぐ流れとなりました。

ー事業承継にはご苦労があったのではないでしょうか。

私が前職で働いていたのはゼネコンです。全く違う業界でしたので、まずは葬儀業界のことがわからない。そして先代の名前や関係があったから来てくれていたお客様というが多かったようで、事業承継後は受注が激減し、社長となって最初の1年目、2年目はとても苦労しましたね。

ー何がきっかけで業績が回復されたのでしょうか?

インターネットの葬儀の強化をしました。当時インターネットでのお葬式が増えてきたタイミングでしたので、弊社も登録し、そこからの紹介を頂く中で徐々に件数が増えてきました。もちろん単価という観点では低くなってしまったところはあったのですが、それでも新たな顧客獲得のルートが出来たのは大きかったです。

そんなことをきっかけにいろいろなことを変えていきました。病院からの紹介に頼っていたころは、かなり遠くのエリアまで足を運んでいましたが、それをやめて近い所に集中しました。

取引先も一緒に努力できるところに絞りました。昔からのお付き合いというのはもちろん大事なのですが、葬儀業界自体が変化している中で、共に変化することを良しとしてくれる会社や人ではないと、一緒にやっていくのはやはり難しいですよね。

ー従業員さんにはどのようなことをお伝えしているのでしょうか?

そんなにいろんなことを求めてはいないですが、やはり身だしなみ、第一印象という点は口を酸っぱくして伝えています。そして阿吽の呼吸はダメ。しっかりと口で確認しよう、と。

この辺りはやはり前職の経験が大きいと思います。私は現場監督という立場が多かったのですが、やはり作業員やお客様の前に出る立場として、身だしなみは見られていましたから、それは業界が変わっても同じだろうと思います。

先日も弊社のお客さまを紹介した士業の方がいるのですが、お客様から「この人には頼みたくない」とお断りの連絡が入りました。お伺いすると、挨拶の仕方だったり、ネイルなどのことを口にされていました。結局そういうところで仕事を頼むかどうかも決まってしまうのだなと改めて感じる出来事でした。

ーそのほかに意識されていることはありますか?

環境経営や健康経営という点は意識しています。環境系については、エコアクション21というものを取得しました。ですから会社のリフォームの時には緑化というのを意識しましたね。地球温暖化防止への取組です。言い方も変わり脱炭素社会が求められるようになりましたので、葬祭業からどのように取り組めば良いか意識しています。

健康経営というのも、これからの時代なくてはならないものだと考えています。葬儀社というのは生活リズムがなかなか一定とはならない。だから健康を意識することはとても大事なことだと思っています。お弁当を食べるにしても色合いを大切にしようとか、なるべく無糖のものにしなさいとか、煙草の吸いすぎ注意など。細かい所ですが、身体が資本の仕事です。本人がしっかりと健康で仕事を続けられないと、お客様に対する十分なサービスも提供できないですよね。だからこの辺りは意識していますね。

ーすごく従業員さんのことを考えられていますね。

やはり従業員に選ばれる会社でありたいとは思っています。従業員に選ばれる会社でないと、そもそもお客様にも選んでもらえないのではないかと思っています。

やっぱりお客さまは会社よりも従業員の誰かに連絡をすることが多いと思います。その時に従業員が自分たちの会社を積極的にお勧めできる、そんな形が理想です。

ー今後目指していることは何でしょうか?

これはビジョンというか、自分自身の体験からはじめたことではあるのですが、葬儀とは別に訪問看護ステーションを経営しています。

父が入院した際、在宅療養で自宅に帰りたいという想いがあったんですが、母と私で看病するのは難しいと思ったんですよね。それで退院せず入院を続けた結果、病院でそのまま息を引き取ってしまった。

それでその後に訪問看護ステーションという存在を知り、これを広めることで自宅で看取ることが出来る人が増えるんじゃないかと。おかげさまで母親は自社の訪問看護ステーションで看取ることが出来ました。

まだまだやっと黒字になった状況ではあります。ただ、訪問看護ステーションは葬儀業界ともシナジーがある。なかなか連携するところまでたどり着けていないですが、しっかりと見送りのサポートをして、ご葬儀まで一気通貫でお手伝いできる企業になりたいですね。

さらにいえば、地域に必要とされるような会社、地域の問題を葬儀を通じて解決できる会社が理想です。例えば空き屋問題も、霊安室のような活用の仕方をして、活かすことが出来ないかなど。社会課題を解決できる、そんな企業を目指していきたいですね。


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