Interview with the management経営者インタビュー

自然体に向き合い、抗わない経営を~四季彩の郷(株)~

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愛知

2021.06.26

社会貢献/自己実現

自然体に向き合い、抗わない経営を~四季彩の郷(株)~

本日は愛知県蒲郡市で介護施設の運営やデイサービス、宿泊、葬儀など生活に密着する様々なサービス業を展開する四季彩の郷株式会社の牧沢様にお話をお伺いしました。

ご縁を常に軸に置きながら、必要とされる事業を展開してき続けた10年間。事業だけではなく、スタッフ教育、経営の在り方においても「自然体」を大事にされる同社。どのような経営をされ、またこれから先どんな道を描くのでしょうかーー。

ーまずは御社の創業からお伺いできますでしょうか?

創業は10年前になります。蒲郡にて廃墟となった旅館を購入し、デイサービスをはじめたのが弊社のスタートです。デイサービスは会長がされていたこともあり、それがきっかけとなり始まった事業です。旅館がベースとなっていますので、空いている部屋も沢山あります。その部屋を活用して簡易宿泊所もはじめました。

元々何かをやりたくて事業を起こしたということではありません。これは今も変わりませんが、ご縁があったものをやっていくことが弊社の在り方です。

ーご葬儀はどのようにして始まったのでしょうか?

会長がお寺のご住職でもあります。そして私が副住職をさせていただいています。葬儀は元々身近にあったものでしたが、年金生活者であったり、あまり経済的に余裕がない方を中心に行う葬儀事業を独自に始めました。弊社の事業はどの事業も「弱き人を助ける」ことを軸に置いています。

ー今のお仕事をされる前はどのようなことをされていたのでしょうか?

いろんな経験をしていますね。ミシンの卸販売の仕事だったり、飲食店をやっていたこともあります。どちらかといえばどうやって売上を伸ばすか、利益を出すかということが仕事でした。ですが、今は利益を出すよりも損をしなければよいという発想です。根本的に考え方が変わったかと思います。

ー何が一番変わったのでしょうか。

ご縁が全ての中心にあると考えています。私自身、様々なビジョンを掲げてきたこともあります。ですが必ずしもうまくいかないこともあります。それも縁なんですよね。結果に逆らわずに受け入れることが大事。そこにストレスが出るということ自体が、自分自身の欲によるものなのだと考えるようになりました。

ーその考え方はスタッフの方にも共有されていますか?

そうですね。ただ教え込もうという気持ちはありません。本当は同じ心を持ってもらいたいとは思いますが、それは流石に無理ですよね。押しつけになってしまいます。それよりも、私自身の背中を見て感じてもらえたらと思っています。

スタッフ一人一人にいろんな方向性を持ってほしいですね。自分で学んだ知識は、全て正しいものです。今の世の中、正解か不正解かを考え過ぎているように感じます。どんなことを選択しても間違いということはないのですよね。

ー社長の背中を見せる上で大切にしていることは何ですか?

抽象的であってはいけないと思っています。主観で物事を見ない、しっかりと事実を把握することが大事だと考えています。例えば弊社は今約50人のスタッフがいますが、私はそのスタッフ全員の家族構成、兄弟、経歴まで全て把握しています。それらは履歴書からだけでは見えてきません。本人との会話を通じて、その人に関する「事実」を理解していく。その上でできる限りのサポートをしたいと思っています。

またスタッフ同士で揉めてしまうこともあります。それを無理やり抑えようとはしません。自分の考えをしっかり持って働けば、ぶつかることがあるのはむしろ自然なことです。

そんな時に伝えることは、相手を変えることはできないんだよということです。目の前の出来事を通じて、自分自身が変わる。しかし、また同じことは繰り返してしまうんです。そしてまた改めて自分自身が気付く。それを繰り返すことで相手が変わる事もある。その感覚が「当たり前」であるということが私が常に伝えていることです。

悩み苦しんでいる人の多くは、その当たり前に抗おうとして苦しんでいます。目の前のことに抵抗しようとすればするほど、それは大変ですよね。むしろ自然に身をゆだねることの方がうまくいくことが多いのです。

ー将来に向けて、何か描いているものはありますか?

あくまでご縁を頂いてから事業が広がってきている弊社ですから、これから先もどんな道に進むかはわかりません。縁があれば自然と大きくなっていくものと思っています。

葬儀業界も「供養」という観点では寂しくなってしまいました。その昔は、ご近所の方にもお声をかけてみんなで大切な方をお見送りしました。今はそれが葬儀会館で行われることが当たり前になっています。お葬式をすることだけが目的になり、亡くなられた人に対してどのようにお見送りするのか、どのように供養してあげるのかが伝わっていない、伝わる機会がないのだと思います。

ご自宅にもお仏壇もありません。私が小さい頃は、何か悪いことをしたら仏壇の前に正座をさせられてご先祖様に謝ったりしました。供養文化とは、そうやって自分自身を反省する、見直す機会にもつながっていたとも考えています。

時代が変わってきていること、これも自然の流れなので、この変化をダメとは思わないですが、寂しくなったとは思いますね。

ー最後に、夢はございますか?

最終的には保育園や幼稚園、託児所など子供向けの事業を行いたい気持ちはあります。それは子どもたちにこそ仏法を教えて、生きるとはどういうことかというのを広く伝えたいという思いがあるからです。

やはりそこには課題意識があります。今引きこもりになる子供の数が5年連続で増加傾向にあるといいます。一方で1990年代、当時まだまだ体罰が当たり前だった時代、実は引きこもりは少なかったといいます。

体罰が良いという話ではもちろんありません。当時は、体罰があったとして、その理由を親が説明できたのではないか、そう思っています。

私はドラえもんの話を例に挙げることが多いのですが、のび太はよくジャイアンにいじめらえて泣いて家に帰ります。ですがのび太のお母さんやドラえもんがのび太に変わって乗り込んでいくような場面は一度もありません。方法を伝えた上で、のび太自身が行動をしています。本人が動くことで、のび太自身にも強い心が養われているのです。

今の世の中はいじめる側のみが裁かれる世の中です。もちろんそれを擁護するつもりはありません。ですが、社会で生き抜いていくには、弱い心を転換する力というのが非常に大事です。その機会が今は十分に提供できていないのではないかと考えています。子どもたちに生き抜く力(知恵と能力)を養うこと、私の夢はそこですね。

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