Interview with the management経営者インタビュー
岐阜
2021.06.28
社会貢献/自己実現
今回は岐阜市にて「あなたの街の葬儀屋さん」として女性のみでサービスを提供している株式会社ブラン・フルールゆうの丹羽様にお話をお伺いしました。
元々は葬儀という業界に馴染みのなかった丹羽様が、葬儀と出会い、そして会社を創り、今の仲間と仕事をするまでの道のりには、いつもお客様が中心に居ました。
ー設立のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?
弊社の設立は平成25年の頃になります。元々は別の葬儀社でスタッフとして働いていました。ですがその会社で経営者の交代があり、それをきっかけとして会社を辞めることになりました。元々は葬儀の業界からは離れようと思っていました。ただ、私が辞める前に相談にお越しになられたお客様も数多くいました。そういった方たちにはしっかりとお伝えしなければと思い、人伝ではありましたが、私の退職を伝えてもらいました。すると、その間に入ってもらった方から予想外の声をもらったのです。
「丹羽さんに葬儀をやってほしいというお客様がいるよ」
と。目の前に頼ってくれるお客様がいる。困っているお客様がいる。それだけが私が会社を設立したきっかけでした。ですから何か計画的に会社を創ったといった、そういうことは一つもありませんでした。
ー元々、葬儀の業界は長かったのでしょうか?
元々は飲食店で働いていました。そこによくいらっしゃるお客様が新たに葬祭業を事業としてスタートするという話がありました。当時飲食店の仕事で体調を崩すこともありましたので、、その機会で私もお世話になることになったのです。
ただ、当初は式場での留守番をするのが主な役割。お客様対応と留守番を続けている日々でしたが、急遽運営をお願いしていた葬儀社さんが撤退することに。まだオープンして半年の頃です。オーナーと建物と私だけが残ったんですね。ただお客様がいてくださったこともあり、後を引き継いでご葬儀の仕事までお手伝いするようになりました。そこから今に至るまでが約15年。本当に不思議なご縁を頂いています。
ー葬儀に出会い、何か価値観の変化はありましたか?
葬儀の仕事がやりたくて業界に入ったわけではなかったので、そこに強い想いがあったかといえば、そうではありません。ですが、仕事をしていく上では父のコトバがとても支えになったのを覚えています。それは
「お前みたいな破天荒な人間が納得したらお客様に勧められるんだろうな」
という言葉でした。
当時は、まだまだお葬式もわからないことが多い時代。業界の習わしみたいなものもあったかもしれませんが、そんな理由では納得できないこともたくさんありました。
まずはそれを自分自身が理解できるようになろうと全力を尽くしました。わからないことはとにかく聞いていたのでお寺さんにもよく怒られていましたね。ですが段々と教えてくれるようになりました。それだけ真剣さが伝わったのかもしれません。
そうやって一つ一つ自分自身の疑問を解決し、お客様に納得したサービスを提供する。これを続けていたら、徐々に「俺の時には頼むな。私の時はよろしくね」と声をかけてもらえることが増えていったのです。いつかにあるこの約束を守らなければならない。私がずっと続けてこられたのは、その想いと、そうやって声をかけてくれたお客様のおかげですね。
ーその考え方は、会社のサービスにも繋がっているでしょうか?
一般的な葬儀社さんとは違うかもしれませんが、弊社では会員制度もありません。銀行からもやった方がいいですよといわれるんですけどね。私自身が納得できていないのでやっていません。
特別なことを何かしているわけではありませんが、お客様対応には自信があります。それは葬儀社として、というよりは友人、知人としての関係性を築くことです。
弊社では、例えば人形供養などのイベントにお客様が足を運んでこられても、葬儀の話は一切しないと決めています。それよりも雑談をしよう、お客様と仲良くなろう、と伝えています。私達は葬儀屋ですから、お客様は葬儀のことで聞きたいことは自然と向こうから聞いてくるはずです。
ー会社の経営理念はありますか?
理念として掲げられている言葉があるわけではありませんが、ハート、真心。これはいつも伝えています。お客様に対しては言うまでもないことですが、何よりもスタッフ同士においても大切なことだと考えています。
スタッフ同士、温かい関係がなければ、当然ご葬儀も温かいものになりません。関係性がしっかりしていなければホウレンソウも難しい。みんながお互いのことを理解しあって、助け合える存在であること。気軽に何でも聞きあえること。そんなことを弊社では大切にしています。
ーこれから先、目指すことがあれば教えてください。
私自身、90歳の母がおり、まさに自分自身が喪主世代となってきました。だからこそ考えることがあります。やはり自分の生活の中から200万、300万といった費用をお葬式にかけることはそんなに簡単なことではありません。ですから、自分達の無理のないカタチのお葬式をどのようにしてお手伝いできるのか、それをこれからも一番大切にしていきたいと考えています。
お客様が困っていることは何なのか、この人たちが一番重きを置いているのはなんだろうか。それを感じ取る事。時にはお客様との打ち合わせに6時間かかることもあります。ご家族と一緒に、お部屋のお掃除をすることもあります。ご遺族がやりたいといったことは全部やってあげたいですね。
20年前には、こんな仕事をしている姿は想像できませんでした。私がこの仕事をしたいといった時は、1日父は口をきいてくれなかったのを今でも覚えています。そんな葬儀の仕事に、私は人生にやりがいを持たせてもらった。
今は、娘2人も仕事を手伝ってくれています。
この仕事に、そしてそれを続けるきっかけを頂けた多くのお客様に、本当に感謝しています。
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