Interview with the management経営者インタビュー

「終焉のインフラ」企業としての使命~(株)天光社~

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福岡

2021.07.15

社会貢献/自己実現

「終焉のインフラ」企業としての使命~(株)天光社~

本日は福岡県に本社を置き関東、関西、九州、岐阜と多岐にわたるエリアで葬儀事業を展開する株式会社天光社の江村様にお話をお伺いしました。

2017年社長就任後取り組んできた組織改革。「終焉のインフラ」企業として、その使命を全うすること。そしてこれから先、天光社が描く未来とはどのようなものなのでしょうか。

ー社長に就任されてから4年の期間が経ちました。

前職は飲食業界の経営に携わっていました。ご縁があって天光社の社長として入社することになりました。全くの異業種ではありましたが、元々勤める場所にも業界にもこだわりはなく、むしろその場に応じたベストを尽くせることが自分の強みだと考えていましたので、特に不安もありませんでした。

ー業界の印象はどのようなものだったのでしょうか?

一番に感じたことは、とても面白い業界だなということです。特に現場ですね。お葬式というのは、3日間の短期集中であり、その場その場で完結する。一つ一つのプロジェクトが1年の間に何十回、何百回とある。一つとして同じものはありません。高額でありながらお客様から感謝まで頂ける。こんなにやりがいのある仕事はないのではないかと思いましたね。

ー入社されてからはどのようなことをされたのでしょうか?

最初はお葬式の現場に足を運びました。現場スタッフと共にお客様の元を訪れたり、病院へのお迎えも行きました。一通りの現場を体験しました。また全社員との1on1ミーティングも行いました。話をしてみて驚きましたね。みんな人としてすごくしっかりしている。

この仕事は人の生死に関わる仕事でもあり、すごくナイーブな現場です。その中で見せかけの優しさや思いやりなどはすぐにお客様にわかってしまうのでしょう。また自分自身の在り方を見つめなおす機会も多いと感じます。だからこそ、人として鍛えらえるのではないかと思いましたね。

身だしなみも整っていますし、人に見られるということの意識が高い人も多く、優秀な人が多いと感じました。

ー課題もあったのでしょうか?

人としては成熟していると感じましたが、一方で組織としてはまだまだ未成熟だと感じました。事業部制を中心に成長してきた会社でしたので、良くも悪くも会社=事業部のような構造でした。会社としての評価軸だったり、情報伝達の在り方や共通のマーケティング施策もなかったのです。会社としての強みをもっと活かせるだろうと感じました。

事業部としての権限が強かったこともあり、それは一つの会社組織のようでもありましたので、事業部長は考える力は高かったのは強みでした。決して指示待ちということはなく、自分で何かを生み出すことにも慣れていた。考える指針だけがしっかりとあれば、尚その強みを活かせると感じました。

さらに言えば、天光社は福岡で創業しながらも、岐阜や関西、関東にまで拡大している。そしてそれぞれのエリアでしっかりと業績を伸ばしている。つまりみんな成功体験を持っているのですよね。これは強いと思いましたね。

ー考える指針として、経営理念が作られたのですね。

経営理念を策定したのは、社長就任後3年目のことです。ずっと出店、拡大を繰り返し成長してきた天光社とは、どちらかと言えば売上意識が強い会社でした。しかし1on1を通じてわかったことは、みんな想いを持って仕事をしているということ。もっとその想いを仕事に純粋に向き合えるように、売上ばかりに意識が向く在り方は変える必要がありました。

こういった意識は一昔前の葬儀社には多かれ少なれ、どこにもあったのではないでしょうか。リピーターという発想がなく、如何に目の前の売上を最大化するかを考える。そんな考え方があったことに不思議はありませんからね。

ー理念にはどのような想いが込められているのでしょうか?

私はこれからは「終焉のインフラ」になるべきだと考えています。ご葬儀についてしっかりと事前に考えておく、お話をしておく。それこそが生きる幸せにつながるという考え方です。

これはまさに保険という商品もそうだと思うのですが、事故や病気、死ぬことなど不幸を前提にして商売が成り立っています。その万が一に対して安心を買うために保険という商品がある。葬儀も全く一緒だろうと。死を迎えるにあたり、お葬式やお仏壇、お墓、その他供養のことをしっかりと考える。それが安心となり、生きる力につながり、幸せになる。

以前はそういったことが村社会の中でできていたのだと思います。いざということがあっても、隣組が来てくれて、お世話をしてくれて、その後は村墓地に入り、自然に還る。それが安心のシステムとして機能していました。ですが、どんどん都市化が進み、また宗教離れもあり、その安心システムは崩壊してきています。

では、代わりに何を頼ればよいのだろうか、そこが課題であるということをしっかりと見つめ、その課題解決をすることこそが私達の仕事なんだ、と。

葬儀社は単にお葬式の仕切りをするための存在ではありません。問題解決を通じて、生きる喜び、生きる力、生きる幸せを広げていくこと、それこそが私達の仕事であるというメッセージがStatementには込められています。

ーMissionに掲げられた「距離感」と「緊張感」とはどんな意味でしょうか?

私はこの業界に入り、ずっと違和感があったのが、サプライズと言われるものです。お客様に喜んでいただいている声はよく聞きます。ですがご葬家は本当にサプライズは望んでいるのだろうかと。滞りなく儀式が終わる事、それがプロとしては一番大事なことなのだろうと思っています。

葬儀社はどんなに深く入り込もうとしても3日間の世界です。これまで何十年と付き合ってきた友人、知人でさえ、そんなにご遺族に踏み込むことが出来るものではありません。だからこそ、そこには適度な緊張感を持ち、例えお客様がどんなにオープンマインドであったとしても、ずけずけと入ってはいけない。その距離感を保つべき仕事だと思っています。

ただし、何か困りごとがあった時、不安があった時にいつでも気軽に聞いてもらえる、その距離感にはいないといけません。その距離感を計りながら、隠れた期待、ニーズをしっかりと汲み取って、少しずつ機転を利かせて先回りする。その積み重ねが、結果として期待以上でお喜びいただける。その姿こそがあるべき姿だろうと。だから「距離感」と「緊張感」を大切にしています。

ーこれから先はどのような未来を描いていらっしゃいますか?

社長に就任してからの3年間でやっと組織として形になってきたと感じます。理念も言葉となり、これから新しいことにチャレンジできる体制も整いました。

その中でスタートするのが新しいブランドでもある「糸」。『全員参加型で、故人様へのお別れを充実させ、想いを残す』という想いを込めています。

弊社は家族葬に特化し成長を続けてきた会社です。一日一葬儀貸し切り型、会館も小さく、他にはないスタイルの家族葬だったことが、成長の後押しになってきました。ですが、今となってはそれも大きな差別化にはなりません。

新しい会館を作ったとしても3年も経てばピークを迎えて徐々に競争力が無くしていく。だとすると差別化はかり、ポジショニングが戦略的ではないと真似されて終わってしまいます。

ですから新ブランドである『糸』では、『お坊さんの有無を選べる自由な家族葬』というコンセプトを打ち出しました。

ーハードだけではなく、ソフトも重要になりますね。

これからは益々グリーフケアが重要になると考えています。むしろ葬儀業においてはグリーフケアがベースにならないとダメだとさえ思っています。これまでは宗教こそがその役割を担っていました。お通夜があり、ご葬儀があり、初七日があり、伝統と威厳で心を静めて納得させるという意味がありました。しかしこれが段々疎遠になってきている、そこに無駄なお金を使いたくないという流れがあります。

宗教においてその役割が弱くなっているならば、葬儀社こそがその役割を果たせるようにならないといけません。それはコールセンター、搬送、プランナー、ディレクター、アフター含め、一人一人すべての人間がグリーフケアの考えをしっかりと理解し、ご葬家の方が心が揺れ動くところも共有し、ケアができるようになる。ご葬儀はまさにスタートであり、これからずっとお付き合いが始まるスタートラインにしていかなければならないとさえ思っています。

ご葬儀がスタートとなり、お盆があり、1周忌、3回忌と続く、その中で徐々に気持ちを収めていく。その都度親戚が一堂に会し、思い出話をして、亡くなられた方の魂を納める。子どもたちもその姿を見て、自分自身が安心して生きていけるようになる。

まさにそんな安心を創っていくことこそが、私達の使命なのだと感じますね。

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